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しゃくれアゴが骨切り無しで改善する?横顔のバランスを見る3大ポイント

鼻か骨切りか しゃくれ 術前後

こんばんは。東京で美容外科をしている形成外科専門医の齋藤隆文です。

お鼻の整形を相談しに美容外科クリニックへ行ったら、骨の手術を勧められた。あるいは、骨の手術を受けたくて美容外科に受診したら鼻の手術のほうが良いと言われて戸惑ってしまった。

こんなシチュエーションでお悩みを深くされて私のところに相談にいらっしゃる方がいます。鼻も骨も両方やっている先生の意見が聞きたい、というやつです。

実際、私の外来でも同じようなケースは珍しくありませんので、鼻整形を希望されて結局骨切り手術をすることになったり、その逆の方針になることもあります。

それでは、お顔の見た目をよくしたいと考えた場合に、お鼻と骨の手術をそれぞれどう考えたらいいのでしょうか?この記事では以下の内容にフォーカスを当てて、こういった悩みを整理したいと思います。

  1. お顔の真ん中にあるおでこ、鼻、唇、アゴ先、の前後の位置関係を見て美容的なバランスを判断する
  2. 噛み合わせに問題がある、お顔の骨の形が平均的なバランスから大きくズレている、お顔の左右非対称が強い、といった場合には骨の手術で期待できる治療効果が大きい。
  3. 上記のようなお顔の骨の大きな問題がない場合は、おでこ、お鼻、アゴ先の手術・治療でバランスがとれることが多い。
目次

その手術を受けることが本当の目的ではない。美容外科へかかるのは、”魅力的かつ自分らしいお顔”を得たいから

いきなりなにを言い出すんだ、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかしながらこの言葉、時として患者さんが見失っていることのある、重要な問題だったりします。特に、”鼻オペか骨切りか問題”を抱える人は必読です。

今や、ネット・SNSは膨大ぼうだいな数の情報で溢れかえっており、正しい情報に巡り合っているかどうかをきちんと判断する能力が求められています。

そんな中で、Youtubeでお勉強したりtwitterで名医を探して、万全の体制でクリニック周りをされる方も少なくありません。ただ、そういった方のお話を聞いていて、たまに大きな違和感を感じるときがあります。

さいとう隆文

はじめまして。
今日はどういったお顔の治療のご相談でしょうか?

患者さん

先生!
私は、上下のアゴの骨切り手術で上に3mm短縮して、少し全体を時計回転なんかも%&$#%#$、、、、っていうのが一番合っているみたいなので、お願いします!

さいとう隆文

手術のプランニングまで立ててすごいですね。
どちらの先生にアドバイスをもらったんですか?

患者さん

Youtubeで先生が言ってました!
私の顔も一緒かなと思いました!

さいとう隆文

一度、お顔全体のバランスを見るところからやってみましょうね!

ちょっと極端な例ではありますが、こんな感じで、ご自身で色々とお悩みになられて、結果的に自分で術式を決めたりプランを立てて、それを受けるために美容外科を受診されるケースがあったりします。

これには注意が必要です。一度立ち止まって、一番最初に自分が美容外科手術を受けたいと思った理由を思い出してほしいと思います。

鼻をすっきりさせたい、口元の出た感じを治したい、お顔を小さく見せたい。希望の内容に差はあれど、究極的な目的は、

バランスの取れた魅力的なお顔に近づけたい。

ということになるのではないでしょうか。

元々のお顔の良さをできるだけキープしながら、過不足のない、理想的な治療プランを考える。そのためには、相当な知識や経験、技術が必要になるのは疑いようもありません。

こういったプランにたどり着くためには、自分のお顔がどういう治療プランを立てれば一番魅力的になるのか、という視点で診察・カウンセリングをしてくれるドクターを見つけ出して、プロの視点でイチから考えてもらうことが重要です。

そうすれば、必要のない骨切り手術を受けずにお鼻やアゴ先のもう少し小さな手術でバランスをとることができたり、逆に骨の手術を受けないと得られないゴールを夢見て、鼻やおでこの手術を繰り返す、なんていうことを避けることができます。

かみ合わせに問題がでている場合は骨の手術をオススメされることが多い

それでは、イチからお顔の問題を評価していきながら、理想的なお顔のための最短コースのプラン作り、という視点で考えてみたいと思います。

私の外来に初診カウンセリングでいらっしゃった場合、基本的にはお顔全体のおおまかなバランスを診察させていただきます。その時に、実は歯のかみ合わせも同時にチェックするようにしています。

このとき、噛み合わせに明らかな問題が出ているレベルの上下のアゴのズレや、お顔の非対称がある場合には、CT検査やレントゲン検査を行った上で、骨切り手術などの骨の治療についてご提案をさせていただくことが多いです。

骨切り手術はお顔の骨を切って移動させる手術ですから、当然お顔の印象をダイナミックに変えるパワーを持つとても魅力的な手術ではあるのですが、同時に様々な手術リスクや大きなダウンタイムを併せ持っています。

ですから、骨切りによって移動させなければならない変化量をまず確認するのですが、その際に噛み合わせにほとんど問題がない場合には、骨切り以外の治療プランでも大きな改善が得られる可能性を念頭においてお話をしています。

もちろん、骨の手術による変化量がさほど大きくない場合でも、鼻の形は気に入っていて変えたくない、などの理由で骨切り手術を行う場合もありますので、最終的にはご本人に治療プランを選んで頂くこととなります。

鼻が低いのか、口元が出ているのか、しゃくれているのか。全ては相対的な問題です

さて、実際のケースを例にとって骨切りか鼻手術のどちらが適しているのかを考えてみたいと思います。

なお、ここに出てくる患者さんのご希望や会話については、個人情報保護の観点から、実際の診療内容とは一部変えています。あくまでイメージとして読み進めて下さい。

鼻か骨切りか しゃくれ 術前

このお写真を見た場合に、あなたはどのようなイメージをお持ちになるでしょうか。骨の問題として見てみると、少し下アゴが出て、しゃくれたような印象をお持ちになったのではないでしょうか。

実際、この程度の下アゴの突出感とっしゅつかん、いわゆるしゃくれた感じが気になって相談にいらっしゃるケースは増えてきており、

患者さん

私には、骨切りしかないわ!!

といった感じで、骨の治療を最初から強く希望してカウンセリングが始まったりします。こんなときにも、私はまず、お顔全体のバランスを見ながら簡単な計測をし、同時に歯の噛み合わせをチェックさせていただきます。

さらにはレントゲンの検査も追加していくと、歯のかみ合わせには問題がなく、お顔の上下のアゴのバランスもそんなに悪くないことがはっきりとわかってきます。

また、鼻の問題としてみると、鼻先が下垂しており、アゴの突出感を強調させるようなお鼻の形、バランスであることが浮かび上がってきます。

この方はあくまでわかりやすい例として取り上げただけですが、こういった横顔の場合には、お鼻先の位置をうまくデザインすることで、鼻先の下がった感じを取り除きながら、同時にアゴの突出感も感じさせないようなゴール作りが可能です。

鼻か骨切りか しゃくれ 術前後

どうでしょう。鼻の手術だけで、お鼻のバランス自体も改善させながら、しゃくれたアゴの突出感も感じなくなったのではないでしょうか。

このように、しゃくれアゴや口ゴボなど、口元の問題と感じている美容的な問題もお鼻の手術でよりバランスよく改善するケースもあるのです。

もっと言えば、もしこの方に骨切り手術を行っていたら、それ自体が過剰な治療であるだけでなく、お鼻先の垂れた感じは残り、悩みはもっと深く複雑なものになってしまうかもしれません。

この方については、お鼻の問題がメインで私のところにいらっしゃったのですが、お鼻だけについてお話を進めている場合でも、私は常にお顔全体の問題として捉えながらこういった治療プランを建てるようにしています。

まとめ お顔は全体を見ながらゴールを考えることが大事

今回は、お鼻と口元、アゴの問題について考えてみました。それぞれの位置関係により、お鼻が低く見えたり、口元が出て口ゴボに見えたり、アゴがしゃくれているように見えたりします。

最近は、鼻整形の専門医!とか、下まぶた手術の神!みたいな、独特なキャッチフレーズの先生が増えてきた気がします。餅もちは餅屋、って言いますから、もちろん専門性がとても大事であることが間違いありません。

でも、美容外科の価値というのは、皆さんその手術を受けたいからクリニックに来ているわけではない、ということを常に念頭において考える必要があるなと感じています。

その手術を受けたいのは、その手術を通してより魅力的なお顔に近づけて、ハッピーな気持ちになりたいから、ですよね。

私がお師匠さんと慕う先生とのディスカッションで、

”それで、その手術でその人はハッピーになれるの?”

とよく聞かれます。これは今も自問自答するようにしています。

ぜひこれを読んでいる皆さんにも、美容外科の一つの術式にとらわれず、自分の理想とするゴールをどうやったら手に入れられるのか、という視点でプランを立ててくれる美容外科医とよく相談して決めていただきたいと思います。

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ご注意いただきたいこと
  • 患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。
  • 治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。
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この記事を書いた人

さいとう 隆文のアバター さいとう 隆文 美容外科医

齋藤隆文 さいとうたかふみ
日本形成外科学会認定専門医
神戸大学医学部医学科 卒
聖路加国際病院形成外科美容外科、加藤クリニック麻布、タウン形成外科クリニックに所属。
専門はお顔の美容外科、特にお鼻の治療。

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