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わし鼻の修正手術。プロテーゼ無しで鼻筋を整形したい人の2大ポイント

ハンプ 鼻筋 治療 術前後写真

こんにちは。東京で美容外科をしている形成外科専門医の齋藤隆文です。

さて、前回の投稿から少し間があいてしまいました。情報が氾濫はんらんしていると言われる今の時代にあって、信頼できる医療情報を得るというのはとても難しいものとなっているようです。

私は医療業界に身を置いているので、その情報の信頼性をどのように判断するかという訓練を受けていますが、もちろん一般の方にそのような判断を求めるのは無理があると思います。

ですので、継続的に、できるだけわかりやすい言葉で美容医療の情報を発信していけたらと思っています。そう、そう思ってはいるのですが、なにしろ日常診療が多忙なんです、、、

年明けに手術枠がパンク状態になったため、2月に新規予約受け入れの中断を余儀よぎなくされたのですが、3月には手術待ち患者さんが60人を超えてしまっていました。そんな中での更新ですので、のんびり投稿になっております。

聖路加 外来制限 齋藤隆文

加えて、コロナの状況が落ち着かないためいまだ制限が続いておりますが、少しずつ制限が解除されていければと考えています。手術をご検討の方にはご迷惑をおかけしておりますが、何卒宜しくお願いします。

さて、本日は、私が特に力を入れている手術であるお鼻についてのお話です。お鼻の形は、お一人お一人のお顔の特徴によって理想とされるゴールが変わってきます。オーダーメイド治療です。

ただ、そんな鼻の形の個性の中でも、より女性的で魅力的な印象作りのための普遍的な(みなさんに当てはまるような)条件というものがあります。本日は、そんな条件たちの中から一つ取り上げてみたいと思います。

そのテーマは、ずばり、女性的で魅力的な鼻筋のための条件、です。以下にその2大ポイントをあげます。

  1. 滑らかで、凹凸を作らないように鼻筋を通す
  2. 鼻根部びこんぶから鼻先までがストレート、あるいはゆるやかなカーブを描いて、鼻先が垂れ下がらない

この記事を通して、より魅力的なお鼻作りについての理解が深めていただけたら嬉しいです。

目次

鼻筋の凹凸は男性らしさを強調させる。“ハンプ”って知ってますか?

さて、いきなり出ました、横文字のキーワード。そうです、ハンプです。

ハンプというのは、鼻筋のちょうど真ん中あたりに出るふくらみ、凸面、ポコっとしたような出っ張りのことを呼びます。鼻の手術においては、全体の印象を左右する大事な特徴の一つとされています。

ハンプとは 解説 写真

日本人のような、もともと鼻筋の低い場合には、鼻の高い印象を作ってくれるので、ハンプを自分のチャームポイントとして気に入っている方も少なくないと思います。

ただ、こういった鼻筋の凹凸の形は、男性的な印象を与える傾向にあるとされています。ですので、より柔らかい印象、より女性的な印象にしたい場合は、こういったハンプをきれいに取ってあげるのが良いと思います。

ハンプの原因となっているのは、鼻筋の皮膚のすぐ下にある骨と軟骨なんこつの形です。ですので、これをフラットに整える場合には、骨と軟骨を削ったり、一部の骨を切って動かすことで調整をします。

こんなことを聞くと、

患者さん

骨を切るなんて怖すぎる!痛そう!ありえない!

なんて思われる方が多いのではないでしょうか。実際、外来で骨の治療が必要かもしれないと説明すると、怖くてとても受ける気にならない、と返されることが少なくありません。

実際には、新しくキズが増えるケースはほとんどありません。骨をやらない場合と同じアプローチで治療することが可能です。また、痛みについても、強く触らなければそこまで痛みがひどくなることもありません。

お顔の表情変化の影響を大きく受けるわけではありませんので、日常生活にすぐ戻れますし、痛み止めの内服で十分対応ができるんです。

鼻の曲がりがあればハンプ切除は必須。滑らかに整えることで対称性が得やすい。

さて、私の記事を読んでいただいている方の中には、鼻の曲がりで悩んでいる方が少なくありません。鼻の曲がりがある場合には、このハンプの取り扱いに少し注意が必要です。

というのも、先ほどお話したように、人によってはこのハンプの形を気に入っている方もいらっしゃいます。ハンプをとって滑らかにするかどうかは好みで決めてもらえばいいのです。

ですが、曲がりがある場合には、曲がりを強調している原因がハンプである場合が多いんです。なので、曲がりをきれいに治そうと思うのであれば、原則としてハンプは切除する必要があります。

そして、どうしてもハンプの形を残したいのであれば、少なくとも外側に出っ張ってしまった部分は削りましょう。

そして、鼻筋の真ん中に合わせて自分の軟骨や筋膜(体のいくつかの部分から採取することができる、厚みのある膜のこと)を移植して高さを出してあげましょう。

左右対称なお顔が一番魅力的!医学的な根拠から見えてくる理想のお鼻、お顔

左右対称なお顔が本当に魅力的なのか、ということには様々な意見があろうかと思います。

ここで私の意見をつらつらと述べてもいいのですが、せっかくなので、医学的に細かく研究された報告について少しご紹介したいと思います。

患者さん

なに?!研究?
難しい話する男の人って、ほんと、一切、完全に、モテませんよ。

って聞こえてきたましたが、これは、天の声でしょうか。

さいとう隆文

安心してください、モテません。
でも、できるだけわかりやすく、噛みくだいて説明していきます。

論文は、以下の3つです。

  1. Bashour M. History and current concepts in the analysis of facial attractiveness. Plast Reconstr Surg. 2006;118:741–756.
  2. Grammer K, Thornhill R. Human (Homo sapiens) facial at- tractiveness and sexual selection: The role of symmetry and averageness. J Comp Psychol. 1994;108:233–242.
  3. Baudouin JY, Tiberghien G. Symmetry, averageness, and fea- ture size in the facial attractiveness of women. Acta Psychol (Amst.) 2004;117:313–332.
顔 左右 非対称 

1つ目にあげた論文は、形成外科というお顔の治療を専門とする診療科しんりょうかのなかでもっとも信頼されている雑誌に掲載けいさいされたものです。ここでは、どんなお顔が一番魅力的か、ということについての研究結果が解説されています。

ずばり、ここで明らかにされている、我々が魅力的だと感じるお顔の4条件は、

  1. 平均的なお顔
  2. 男性らしい、あるいは女性らしいお顔
  3. 若さ
  4. 左右対称性

の4つです。そうです、やはり、左右対称的なお顔を人は魅力的だと感じるようです。また、2つ目と3つ目の論文でもやはり左右対称的なお顔が大事だという結果が出ています。

ただ、おもしろいのは、3つ目の論文では特に白人女性における魅力的なパーツについて言及されていることです。白人女性では、頬がしっかりと張っていること、そして鼻が小さいことが魅力的な条件となっているようです。

頬は小さく、そして鼻はできるだけ高くしたいと望む日本人女性とは、実に対照的な結果ですよね。

さて、話がそれましたが、一般的に我々が人間のお顔を見たときに、左右対称なお顔を魅力的に感じる傾向にあることがわかりました。ですので、ハンプをとても気に入っている場合を除いては、鼻筋は滑らかに整えて左右対称性を目指したほうがよさそうです。

実際の治療を通して、鼻筋が滑らかになることで女性らしさが増すことを確認する

実際のケースを見てみましょう。

今回の方は、ハンプがあり、鼻筋に凹凸があるケースです。手術は全身麻酔で行っています。オープンアプローチという、鼻柱びちゅうと鼻腔内のアプローチで、鼻筋の骨と軟骨の凹凸を整えています。

鼻先は、コルメラストラットという、耳の軟骨を用いた鼻先を少し上げて補強するテクニックを使って、さらに鼻先に耳の軟骨を乗せることで鼻先と鼻筋のつながりを整えています。

ハンプ治療 鼻筋 術前後 横
ハンプ治療 斜め左 術前後

手術の前に大事にしていること

画像検査で中の構造を細かく確認します。

お顔の左右差、全体のバランスを一緒にお写真で見ながら、患者さんとその方の自覚している”曲がっている”を共有できるように努力しています。

曲がりを修正していく中で鼻の高さや長さについてももちろん変化が起きるので、ご自身が認識されているお顔の特徴・コンプレックスを確認して、手術による変化でそれらが悪い方向にいかないかを確認します。

こういったことを確認するツールとして強力な武器となるのが、写真を使ったシミュレーションです。

写真を手術に沿って修正していきながら、術後の形のイメージを事前に共有しておくことで、患者さんにも手術による変化に対する心の準備をしてもらうようにしています。

まとめ

鼻筋の治療において、女性的な、柔らかな印象をもたせたい場合に気をつけていただきたいことは2つです。

  1. 滑らかで、凹凸を作らないように鼻筋を通す
  2. 鼻根部から鼻先までがストレート、あるいはゆるやかなカーブを描いて、鼻先が垂れ下がらない

最後にお出しした女性の変化を見ても分かる通り、鼻筋が滑らかに流れるだけで、ぐっと女性らしさが増しますよね。あとは、これをストレートのまっすぐなラインにするのか、あるいは緩やかなカーブを描かせるのは好みです。

自分の好みをしっかりと担当医に伝えましょう。そして、その好みをしっかりと再現してくれるドクターを選びましょう。

また、鼻の曲がりがある場合には、できるだけハンプをとった方が左右対称にすることができ、誰もが自然と魅力的に感じるお鼻に近づけられるかもしれません。

正しい知識をもって、自分の好みを伝えて、あとは、ドクターに専門的なところは委ねましょう。それでは、良い治療を。

ご注意いただきたいこと
  • 患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。
  • 治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。

治療についてのご相談や受診のお問い合わせについては、当HPトップページの予約フォームからご連絡ください。

今回の治療内容について

施術内容:鼻尖形成 ハンプ切除 骨切り幅寄せ

費用:  約90〜120万円 別途麻酔費用や入院費用がかかる場合があります

*斜鼻の場合、保険適応となる場合があります

*モニター制度があります

リスク: 術後出血、感染、傷が開く、曲がりや変形の残存、後戻り、など

齋藤隆文医師には下記の医療機関で受診できます。HPトップページからご予約ください。
  • 聖路加国際病院 形成外科  毎週金曜日 初診外来 予約制
  • 加藤クリニック麻布 美容外科 毎週月曜日水曜日土曜日 初診外来 予約制
  • *HPトップページに予約可能なお日にちとクリニックのカレンダーを掲載しています
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この記事を書いた人

さいとう 隆文のアバター さいとう 隆文 美容外科医

齋藤隆文 さいとうたかふみ
日本形成外科学会認定専門医
神戸大学医学部医学科 卒
聖路加国際病院形成外科美容外科、加藤クリニック麻布、タウン形成外科クリニックに所属。
専門はお顔の美容外科、特にお鼻の治療。

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