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まぶたと眉毛の左右非対称を自然に改善するためのポイント3つ

こんばんは。東京で美容外科をしている形成外科専門医の齋藤隆文です。

”まぶた”という臓器は、お顔の印象において最も重要なパーツの一つです。

人はコミュニケーションをとる際に、基本的に目を見て話をしますよね。誰かを思い出すときにも、鼻の形や唇の形と言われてもピンとこないかもしれませんが、目の印象は思い出しやすいかと思います。

そんな重要なパーツであるまぶたにメスを入れることをご検討される方の中には、積極的に形を変える整形手術ではなく、元の状態に戻したいという、アンチエイジングや修正手術目的の方もいらっしゃるかと思います。

表からは見えないまぶたの皮膚の下の構造は、まぶたの見た目の形と密接に関係しています。どんな手術であっても、これらの関係性から正しい手術プランを立てていかなければなりません。

この記事では、私が専門の一つとしている、上まぶた、下まぶたの美容外科、アンチエイジング治療、またケガや病気による変形でお悩みの方に、まぶたの治療で外科医が大切にしていることをご紹介します。

目次

まぶた手術の要点は、まず、正確な診断にあります。

診察風景

美容外科で聴診器を使う機会はおそらくオリンピックより少ないのですが、

さいとう隆文

丁寧な診察による正確な診断が大事です!

と伝えたくて診察風景のお写真を選んでいると、整ったお顔+聴診器という結論に至りました。とてもいい写真ですよね。

さて、今回は、やや複雑な、まぶた周りの複合手術についての投稿です。

お師匠さんの影響を多分に受けて、私のところには修正手術の相談の方が多くいらっしゃいます。修正手術に求められるのは、正確な手術手技だけでなく、今起こっているトラブルの原因を、正しく診断し、治療プランを立てることにあると思っています。

健康なまぶたや鼻をきれいな形に整えることと、不自然な形や、左右差のある状態に壊されてしまったまぶたや鼻を正しく整えていくことは、難易度が格段に違ってきます。

そして、そういった修正の治療経験を重ねていくことにより、まぶたがいかに複雑な構造をしていて、皮膚、脂肪、筋肉、粘膜、引いては骨や眼球の位置関係までもがお互いに影響しあいながら形を保っているかを思い知らされます。

手術としてはシンプルなふたえ手術や皮膚切除によるたるみ取りも、こういったことをちゃんと診断して治療プランやデザインに反映してもらうことが重要です。特に、左右左の全くない人なんて、ほとんどいませんからね。

まぶたの左右非対称も、美容的なたるみや眼瞼下垂がんけんかすいに配慮して治療します

さいとう隆文

まず最初に質問です。こちらは患者さんの術後写真です。ある理由により、通常は起こらない非対称がお顔の一部に現れているのですが、みなさんわかりますか?

1分ほど写真をじっくり眺めて、見つけ出してみてください。

まぶた 非対称 顔面神経麻痺

みなさん、わかりましたか?

この患者さんは、顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)、という顔の半側が動きにくくなる病気により、主に顔の上半分の左右差が出てしまい、こちらの改善を希望してご相談にいらっしゃいました。

修正手術の原則と同じで、疾患(しっかん)による形態のトラブルが出ている場合にも、正しい診断なくして良い結果は期待できません。なぜなら、形態の変化には麻痺だけが影響しているわけではなく、それのみにアプローチをしても、治療としては十分な効果は望めません。

ただ左右差を改善させるだけでなく、

“自然に、美しく、バランスよく”

整えてあげられるような治療プランをご提案したい。

このように考えると、麻痺による表情筋の複雑な変化だけでなく、エイジングによる変化、併存する眼瞼下垂(がんけんかすい)の影響、などを総合的に診断し、手術計画を立てる必要があります。

今回の治療では、下記の3点を改善しています。

  1. 眉毛を左右対称な位置に戻し、
  2. まぶたの皮膚のバランスを整え、
  3. まぶたの開きを改善
顔面神経麻痺 左右非対称 術前後 正面
顔面神経麻痺 左右非対称 術前後 下方
顔面神経麻痺 左右非対称 術前後 上方
顔面神経麻痺 左右非対称 術前後 閉瞼

さて、先ほどの質問の答えですが、手術的に右の眉毛を挙上しているため、おでこのシワは前頭筋(ぜんとうきん)が収縮して眉毛が上がっている左にしかありません。

右のおでこがツルっとしているのがわかるかと思います。美容外科でおでこのシワにボトックスを打つ変化に近いです。

まとめ 病気の治療も美容の治療も本気です

まぶたの修正手術をご検討される場合には、まずは納得できるような診断を的確に下してくれるドクターを探しましょう。きちんとした治療プランを立てている外科医の説明はすっきりと納得できるはずです。

そして、眉毛の位置、皮膚のたるみ、まぶたの開きについても左右差を丁寧に確認してもらい、より自然で魅力的なまぶた作りをしてもらいましょう。

原因が美容手術であれ、病気であれ、エイジング変化であれ、術後の自然な美しさを取り戻したお顔で、嬉しそうに話してくれる患者さんの姿は、なにものにも変えがたいやりがいを感じ、日々の努力が報われる思いになります。

手術は難しく、もちろんいいことばかりではありませんが、私の周りにいる外科医の先生方もまた、皆同じような気持ちで日々の治療に取り組んでいると思います。

ご注意いただきたいこと
  • 患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。
  • 治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。

治療についてのご相談や受診のお問い合わせについては、当HPトップページの予約フォームからご連絡ください。

今回の治療内容について

施術内容: 皮膚切除による眉毛挙上術、眉毛下皮膚切除術、眼瞼下垂症手術(挙筋前転)

手術費用: 上眼瞼形成手術 約45万円(自費手術の場合)

      保険適応の場合は定められた保険点数に従って費用が決まります。

リスク:一時的な腫れ、内出血、感染、傷が開く、後戻り、ドライアイ、左右差、違和感の残存、など

齋藤隆文医師には下記の医療機関で受診できます。HPトップページからご予約ください。
  • 聖路加国際病院 形成外科  毎週金曜日 初診外来 予約制
  • 加藤クリニック麻布 美容外科 毎週月曜日水曜日土曜日 初診外来 予約制
  • *HPトップページに予約可能なお日にちとクリニックのカレンダーを掲載しています
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この記事を書いた人

さいとう 隆文のアバター さいとう 隆文 美容外科医

齋藤隆文 さいとうたかふみ
日本形成外科学会認定専門医
神戸大学医学部医学科 卒
聖路加国際病院形成外科美容外科、加藤クリニック麻布、タウン形成外科クリニックに所属。
専門はお顔の美容外科、特にお鼻の治療。

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