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逆まつげ手術の美容的2大ポイントは何?術式によって結果が変わります

こんばんは。東京で美容外科をしている形成外科専門医の齋藤隆文です。

今日も下まぶたの逆まつげでお悩みの皆さんの参考になるお話を丁寧に書いていきたいと思います。

下の逆まつげの手術治療については、いくつかの術式があり、比較的軽度で、特に思春期以降の患者さんにはキズアトが目立ちにくい方法をご提案しています。

ここで、“思春期以降では”という文言をつけさせていただいたのですが、これには重要な意味があります。私がこの術式について説明している時にお写真をお借りしている患者さんは皆さん中学生以上の女の子です。

逆まつげ治療、これはまぶた周りの治療の中でも再発率がおそらく一番高いと考えられている、かなり厄介な疾患です。なので、色々なお医者さんが、たくさんの手技を盛り込んで、後戻りしないように工夫しています。

私が見た目を配慮した場合に一番優れていると考えている術式は、筋肉を操作します。なので、筋肉が十分に発達した中学生以降に一番安定した効果があると考えています。この術式が全ての方にベストなわけではありません。

逆まつげが比較的軽度で、眼科的な症状がそこまでひどくない小学生の患者さんに、軽度だからと見た目に配慮したこの術式を採用して、改善が不十分だった経験もあります。

幸い眼科的な症状がほとんどないため機能的な影響を残すことはありませんでしたが、やはり常にベストな結果を出せるようにしなければなりません。

その術式がその人に適しているか、そして常に見た目と機能のバランスをよく考えて術式を決める必要があり、主治医とよく相談して、自分に合った治療を受けてください。

目次

逆まつげ手術の注意点は涙袋の変化です。そのキモは、筋肉操作

下まぶた目袋パフ

皆さん、このお写真のお姉さんがつけているピンク色の美容グッズ、知っていますか?

アメリカでは、under-eye-patchとして販売されている、下まぶたの目袋を取ることを目的とした美容ケア商品です。ぽっこり出てしまった目袋の改善にはおそらくあまり効果がないと思われるんですが、デザインは好きです。

きちんと涙袋のラインは外すようにして作られており、理想的な下まぶたのライン作りが意識されています。下まぶたのたるみとり手術の後のケア商品としては、結構いいかもしれません。

さて、私が採用している逆まつげ術式の利点は、いくつかあるのですが、今日はそのうちの一つ、涙袋について。

そもそも涙袋というのは、眼輪筋というまぶたを閉じる役割をしている筋肉のうち、睫毛の近くにある部分が膨らんでできています。笑った時に強くなるのは、この筋肉が収縮するからです。

実際には表情によって涙袋を強調させる原因は変わってくるのですが、ここまでマニアックな話は知っている必要がないので割愛します。

通常の睫毛内反の手術では、涙袋を作っている部分の眼輪筋を切開します。先生によっては、この部分の眼輪筋を切除してしまう場合もあるようです。

そこまでやってしまうと、涙袋が小さくなるのはおろか、キズが凹んだまま治ってしまう可能性もあります。その上、後戻りまでしてしまったら、もうなんのために手術をしたのかわかりません。

私の採用している術式では、涙袋を作っている眼輪筋は温存して(できるだけキズをつけないで)切開します。

そして、涙袋を作っている位置よりも下の筋肉を引き締めます。なので、涙袋の筋肉は小さくならず、涙袋の下が引き締まるので、このギャップにより笑った時には涙袋が強調されます。

この変化自体は個人差があり、そもそもこの治療で期待しているのはあくまで逆まつげの改善がメインなのですが、元々の涙袋を失わずに、時に涙袋が少し大きくなる効果としてプラスに捉えています。

逆まつげ手術の美容的メリット。黒目が大きく見えてくる

逆まつげの治療では、もちろんまつげが眼球に当たらなくなるのが最優先ですが、この術式が適している患者さんには、

  • まつげが黒目にかからなくなり、目が大きく見える
  • 涙袋が小さくならない。人によっては涙袋が強調されて笑顔が柔らかい印象になる

などの副次的な、美容的なメリットを産むことができると考えています。お顔はとても複雑な臓器です。まつげの向きを変える、というだけでも、こういった様々な変化が起きてくる可能性があります。

小さな変化に繊細に気付く、配慮できる、そしてコントロールができる、というのは、とても難しいことだと思います。コツコツ努力して、自分の眼と、腕を磨くしかありません。

こんなことを教えてくれた、自分のお師匠さんには、本当に頭が上がりません。

下の逆まつげ手術 術前後 
下の逆まつげ 術前後
下の逆まつげ手術 術前後 横
下の逆まつげ手術 両目 術前後
ご注意いただきたいこと
  • 患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。
  • 治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。

治療についてのご相談や受診のお問い合わせについては、当HPトップページの予約フォームからご連絡ください。

齋藤隆文医師には下記の医療機関で受診できます。HPトップページからご予約ください。
  • 聖路加国際病院 形成外科  毎週金曜日 初診外来 予約制
  • 加藤クリニック麻布 美容外科 毎週月曜日水曜日土曜日 初診外来 予約制
  • *HPトップページに予約可能なお日にちとクリニックのカレンダーを掲載しています
今回の治療内容について

〈施術内容〉 睫毛内反症手術 

〈手術費用〉 約1.3~5万円(上下、および術式により費用は異なります。)

*保険適応の場合は定められた保険点数に従って費用が決まります。
*美容目的の場合、上眼瞼形成 約35万円(モニターなしの場合)

〈リスク〉  腫れ、内出血、感染、傷が開く、後戻り、左右差、疼痛や違和感などの残存

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この記事を書いた人

さいとう 隆文のアバター さいとう 隆文 美容外科医

齋藤隆文 さいとうたかふみ
日本形成外科学会認定専門医
神戸大学医学部医学科 卒
聖路加国際病院形成外科美容外科、加藤クリニック麻布、タウン形成外科クリニックに所属。
専門はお顔の美容外科、特にお鼻の治療。

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